所属機関
甕棺の復元
大型甕棺制作古代技術復元プロジェクト
区分 | 大型甕棺復元・研究 |
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調査期間 | 2008年~2011年 |
内容
大型甕棺制作の古代技術の様相を復元し、甕棺古墳社会と呼ばれる栄山江流域における古代文化の実態に迫る基礎学術史料を確保するための、2008年から現在まで進行中の事業である。今まで栄山江流域を代表する文化遺産である大型甕棺の製作技術に関する科学的調査および研究は、皆無の状態であった。大型甕棺制作技術の考古学的調査および研究、自然科学的成分分析に基づいた制作実験などによって行われる融合・複合研究は、韓国考古学界では類例の見ない革新的な試みであり、韓国の実験考古学の方法論を定立するのに方向性を示すであろうと期待されている。
事業は、資料収集および分析、甕棺窯の発掘調査、成分分析、制作実験に分けられる。今までの主な成果としては、国内外の甕棺関連資料の収集・分析(古代甕棺研究学術大会4回、『東アジアの甕棺墓』(1セット6巻)、資料集発行など6件)、甕棺窯および甕棺古墳の試掘・発掘調査(『羅州・五良洞窯跡Ⅰ-1〜4次-』発掘調査報告書1件、発掘調査遺跡事例発表1件(湖南考古学会)など10件)、大型専用甕棺の成分分析・研究(大型専用甕棺79点、土壌10点、分析のサンプル160点、成分分析など4件)、大型甕棺専用窯における制作実験(大型甕棺の制作実験など17件)などである。
2012年には甕棺窯の発掘の成果および大型甕棺の観察資料に基づいた実験考古学的な方法により、大型甕棺の制作技術を復元・再現する。また、大型甕棺および窯の壁片に対する自然科学的成分分析を通じて、黒の斑点をはじめとし、大型甕棺の内外面の色の違いが発生した原因を明らかにする。
2013年からは第2段階事業として、『大型甕棺の流通と活用に関する復元プロジェクト』を進める。第2段階事業では、大型甕棺の窯および付属施設に関する発掘調査、大型甕棺に関する観察と成分分析に基づいた流通網を究明し、大型甕棺の時代別特性と変化を明らかにする。さらに、大型甕棺の供給方法、埋蔵施設としての使用、廃棄に関する実験考古学的方法を通じて甕棺を利用した古代の葬儀を復元する。第2段階事業の期間は2013年から2017年までであり、大型甕棺の窯遺跡に関する発掘調査、大型甕棺の目視観察および成分分析、大型甕棺の窯と甕棺墓出土の大型甕棺に関する分析、大型甕棺の供給および埋蔵方法に関する実験考古学的研究を行う。
今後、第2段階事業が円滑に行われると、大型甕棺の流通網と埋蔵施設としての利用の様相に関する学術資料を学界に提供し、これにより甕棺古墳社会の実態を明らかにする基礎となると期待している。また、甕棺古墳の整備・復元資料として国家遺産庁、地方自治体などの政策執行機関、一般の人々を対象に甕棺を活用した観光・教育資料として提示できるであろう。
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大型甕棺の流通と活用に関する復元プロジェクト調査
区分 | 大型甕棺の復元・研究 |
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調査期間 | 2013年~2017年 |
内容
栄山江流域における古代社会の中心的な文化要素といえる大型甕棺の流通、そして埋蔵施設への活用に関する調査・研究を通じて、大型甕棺を中心に、政治的・社会的関係や変化の様相を明らかにするための事業である。2008年から2012年まで進められた『古代における大型甕棺の製作技術の復元プロジェクト』の第2段階事業であり、2013年から2017年まで5年間行われる予定である。
今まで、栄山江流域における大型甕棺の生産と流通、消費に関する調査・研究は無に等しい。栄山江流域の大型甕棺の流通、そして埋蔵施設への活用に関する科学的分析や復元実験を通じて実証し、大型甕棺の技術的・政治的・社会的意味の究明を目指す。
事業は、大型甕棺窯および古墳に関する考古学的・歴史的調査・研究、大型甕棺の流通構造やシステムを復元するための融合・複合研究、大型甕棺の埋蔵方法および儀礼を復元するための自然科学的分析、大型甕棺の運搬および埋葬方法に関する実験考古学的研究に大別できる。
2013年にはベトナム・カンボジアの甕棺墓など国内外の大型甕棺に関する資料を収集し、今後の研究課題の方向やアプローチを模索するために、学術シンポジウムを行う予定である。また、羅州・五良洞窯址出土の甕棺のタイプの分類および編年案に基づき、栄山江流域における大型甕棺の属性を分析し、タイプの分類および標準化を試みる。これにより、地域別・時期別のタイプの変化を分析し、新しい編年案が作成できると考えている。また、羅州・五良洞窯址の調査および研究成果(3Dスキャン資料を含む)、復元甕棺および窯の3Dスキャン、製作実験資料を利用した窯の内部における甕棺の3D映像も制作する予定である。一方、羅州・五良洞窯址出土の甕棺と復元甕棺の成分分析を行い、羅州・五良洞窯址出土の甕棺と復元甕棺との材料における特性を比較・分析すると同時に、大型甕棺の運搬や埋葬儀礼の復元実験用甕棺製作も進める。最後に、大型甕棺の研究成果を知ってもらうために、国内外の学術雑誌に掲載する予定である。
今後、第2段階事業がスムーズに行われると、大型甕棺の流通網や埋蔵施設への活用の様相に関する学術資料を学界に提供することができ、これにより甕棺古墳社会の実体を究明する上で重要な基礎になると期待している。また、甕棺古墳の整備や復元資料をもって、国家遺産庁や地方自治体のような政策執行機関を含む国民に対しても、甕棺を利用した観光および教育資料として活用できる。